ようやく診療所を見つけた時には もう
少女は赤ん坊を流産していました

必死に声を殺し それでも抑えきれない
少女の嗚咽を聞きながら
少年は 強く唇を噛み締めました



そんな少年を見て 
年老いた診療所の医師は言いました

「青いドングリは枝から落ちても芽を出せない
 …こんな諺を知っておるか?」

少年は ただ 首を振ります

「あんたには何もかも早すぎる。
 その子を連れて帰りなさい」


そして ひと月ほどの後
長く休んでいた少女が 
ふたたび学校にやってきました

その間 生徒達の間にはさまざまな噂が流れ
未だ癒えぬ少女の心に
新たな傷をつけました


そんなとき
少女から距離を置いてささやきあう生徒達をわけて
少年が歩み寄りました

興味深げに投げかけられる
周囲の視線を避けるように
少女が 彼の脇を行き過ぎようとすると―――
+マエ+ + モドル + ツギ+


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